Vision ビジョン

アビーの挑戦

「時間」と「距離」からの解放
CASエンジンは“前に進むタイムマシン”

旬の味覚を食べたい、新鮮な素材を新鮮なまま味わいたい。そんな思いは誰もが持っていることでしょう。なぜなら、それがとても“美味しい”ことを知っているから。「とれたて」という言葉があるように、少しでも早く味わえることが価値につながっているのですね。しかし一方で、食料品は風味を損なうことなく長期に保存することが難しいため、流通段階で相当なロスが発生してしまいます。消費者の手に届く前に、多くの食品が風味を失ってしまうのです。それはまた、生産者が公平に収入を確保することの障害にもなっています。
素材本来の美味しさを、食品産地が抱えていた「時間」と「距離」の問題から解放したい。それを実現するのがCASエンジンなのです。CASエンジンなら、美味しい収穫年の野菜や果物、お米などを、旨味そのままに長期保存できます。いわば、CASエンジンは“前に進むタイムマシン”。その成功例の一つが、島根県隠岐諸島の海士町の取り組みです。海士町ではCASエンジンを大々的に使って、それまで島内で消費するほかなかった海の幸を流通に乗せ、遠隔地の消費者に届ける事業を次々と成功させています。私は、このような成功例を心から誇りに思います。

鮮度を再定義したCASエンジン
日本の一次産業を活性化させたい

アメリカの実業家、クラレンス・バーズアイが急速冷凍技術を発明したのは1925年のことです。瞬時に凍らせることで大きな結晶が発生することを抑え、食品の味を保つことが可能になりました。それは画期的な技術なのですが、今日までの急速冷凍技術の歩みは決して芳しいものではなく、今なお冷凍食品の味はあくまで冷凍食品で、新鮮な食物には及ばないという印象が一般的でしょう。しかし、CASエンジンは鮮度を再定義しました。賞味期限をなくし、出荷期限もなくす。するとどういうことが起こるか。農業も漁業も活性化する。農林水産省によれば、日本の農業就業人口も漁業就業人口も一貫して減少傾向にあり、このままでは産業自体が疲弊しかねないし、食糧供給への不安も高まっていくでしょう。一次産業をきちんと収益があげられるビジネスにできれば、特産の果物や高級魚なども相場や市況を見ながら出荷調整できます。アビーは、日本の一次産業を輸出産業として盛り返したい。農業収入を増やし、若年層の雇用を増やしたい。CASエンジンという技術で、その夢の実現を後押ししていきたいと考えています。